お礼と改め
お礼
以前の投稿で、美容院の営業自粛をどう考えるべきかを吐露し、たくさんの方からアドバイスを頂きました。ありがとうございました。
その後の報告をさせて頂きます。
営業自粛をすれば、光熱費は掛かりませんし、休業補償も出ますし、ホットペッパービューティーの掲載料(毎月10万円以上)も免除されますし、経営的には楽になりますが、政府の「美容室は安定的な生活を営む上で必要な事業」という言葉を重く受け止め、営業を決断しました。
また、緊急事態宣言下でも医療従事者やインフラ関係の職種の方は休めませんので、せめて美容で少しでも元気を出してもらいたいという想いも決断の決め手になりました。心無い客からのクレームで疲れ果てて、仕事が終わって鏡を見た時に、昨日より輝いていたら元気が出るかなと。
そう思い営業を決断しました。
一人でもお客さんが喜んでくれたらいいな、でもそれはこちら側の勝手な想いなので、一人も来ないことを想定して腹をくくっていました。
そして、先月の収支報告が届いたので恐る恐る見たら・・・
なんと過去最高の来客数でした・・・
桁を間違えていると思い、店長に確認するくらいの千客万来でした。
この場を借りてお礼を申し上げます。
お客さんが急増した要因を考えてみると
内的な要因としては
店長が一人でやっているためプライベートサロンで、必然的に一組限定になり近くに人がいない。
予約が入っていない時は店を閉めているためウイルスが侵入しないし増殖もしない。
店長はチャリ通のため感染リスクが低い。
店長は無口なので飛散しない。
外的な要因は、前述の通り、営業すると様々な費用が掛かるため閉店している美容院が多く、みんな行きつけの美容院に行けない。
こんな感じです。
しかしながら、みんなが厳しいこの状況で利益を出してしまい申し訳なく、コロナに救われているようでなんとも複雑な心境です。
さらに皮肉なことに美容院をオープンして一年半が経ちますが、初めて月の損益分岐点を越えました。
ずっと赤字でしたので、常時でしたら喜べますが、この状況ですので棚ぼたというか残存者利益というか、全く喜べません。
今まですっと、衣食住に関係がなく、人間が生きていく上で関係のない職種でビジネスをしていますので、せめてお客さんに満足してもらえるサービスを提供し、たくさん納税することでその罪を償おうと考えていました。
でも、国から安定的な生活を営む上で必要な事業と言われてからは、なんだか使命のように粛々と営業していくことが大事なのかなと気持ちが変わりました。もちろんサービスの向上には今後も努めますが、まずは何よりも「何があっても営業し続ける。」それが大切で、そのためには普段から何をすべきか、それを考えていこうと思います。
僕は、お客様のためとか、人のためとか、世の中のためとか、そんなことをいちいち口にする人や企業が大嫌いです。普段からそう思っていないから公言する訳で、空気のように当たり前に思っていたら口から出てきません。「今から空気を吸います。」とか、「私は男です。」とか「私は日本人です。」とか、いちいち当たり前のことを言いませんよね。
お客様のためとか、人のためとか、世の中のためとか、板についていないからいちいち言ってしまうんです。
それと同じように僕も「国から」という言葉をこれだけ使うということは、まだまだ板についていない証拠です。自分ではお客様のため、人のため、世の中のため、それらと同義語で「国のため」とは普段から思っていたつもりでしたが、こうやって自分の言葉を俯瞰してみるとちょいちょい国のためと口から出てきてしまう。
そんなこといちいち言わなくても当たり前で実践できていませんでした。
自分の至らない点が見えました。