捨てる神あれば

そんなこんなで1階が居酒屋、2階が住まいという小さい一軒家のようなとこを借りて、僕は2階に母と一緒に住むことになりました。

一階の居酒屋はオープンに向けて改装工事をしていました。

毎日、大工さんやらガラスやさんやら水道やさん、和也さん、電気屋さん、畳屋さん、建具屋さん、ペンキ屋さん、クロスやさん、冷蔵庫やさん、ガスやさん、いろんな業者が入れ代わり立ち代わり来て内装をしていくわけですけど、こんなに仕事ってあるんだー、びっくりしました。

しかもみんな職人の眼差しでちょっとかっこいい。お客様は神様の飲食店でしか働いたことが無かったので、黙って黙々と仕事をして客にも良いと思ったことは譲らずに「これはダメだよ、こっちの方が絶対にいい。」と言って意見してくる職人にびっくり。専門職のプライドってすげー。

何もなかったボロ家がどんどん居酒屋になっていくのが面白くて毎日ずっと見てました(笑)

そしたら工事全般を請け負った内装やの社長が話しかけてきました。「あんちゃん毎日仕事もしねーで何やってんだ?暇なら給料やるから手伝え。

え?

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