頂点の感性

最近、barオープンの挨拶周りであちこちのbarを巡っています。

そんな中、日本のカクテル大会で優勝した山本さんのbar カサブランカにも行ってきました。

関内にあるオーセンティックbarで、敷居が高く僕も実に20年振りに行きました。

ショートカクテルを3杯飲みました。とてもおいしかったです。

でも、3杯目が4杯目になる不思議な出来事がありました。

それは、最後に頼んだショートカクテル、アレクサンダーを作っている最中の出来事でした。

シェーカーにブランデー入れたところで電話が鳴り、応対していました。

予約の電話でしょうか、10秒で電話を切り、またシェイカーにお酒を入れて、氷を入れて、シェイクして、グラスに注いで、いよいよ完成。

後は僕のところにグラスを滑らせるだけ、その時でした。

山本さんが突然、「ん・・・」

「なんか違うな」

と、そのカクテルを一口飲んで、そしてアシスタントに向かって「捨てて」と言って、また新しく作り始めました。

僕は「え、どうしたんですか?」と驚いて聞きました。

「すいません、途中で電話に出たせいか、失敗しました。すぐに作り直します。」と言って新しく作って出してくれました。

作っている最中と言ってもシェイカーにお酒を入れている間ですから、別に10秒くらい電話に出ても、また戻ってきてお酒を入れれば良い訳で、氷は最後に入れますからカクテルに影響はありません。

ブランデーを入れた後に、リキュールを入れる間の10秒間、電話に出ただけです。

聞いたら、営業中に掛かってくる電話が嫌いなようで、いくら予約の電話だとしても時間外にして欲しいと思っているから、その気持ちがシェイクの邪魔をして失敗しました。

とのこと。

これが頂点の感性です。

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